ホーム  >  2011年度版

2011年度版 静岡サイエンススクールを知る

目 的

 天然資源に恵まれない日本が、豊かな社会を維持し発展させるためには、高度な科学・技術とその能力を発揮できる科学者の育成が欠かせません。静岡県を含む中部・東海地方は先進的なものづくりが盛んなど、科学・技術に関心の高い地域です。これまでにも、優れた科学者・技術者が育っていますが、科学・技術がますます重要視される時代にあって、さらに多くの優秀な人材を育てることが大きな課題でしょう。そこで、静岡大学では、未来の科学者を養成するための講座として、「地域で育む未来の科学者 - 静岡サイエンススクール -」を、2010(平成22)年度から開くことにしました。理科や数学が大好き、実験や観察がとても楽しい、将来は科学者になるのが夢、そういう意欲と才能を持つ中学生・高校生を静岡県の内外から広く受け入れ、先端的な科学プログラムを含むサイエンスに関するさまざまなプログラムを継続的に受けてもらうことで、才能を開発して、未来の有能な科学者として育ってもらうことが目的です。

概 要

 先端科学のトピックの解説をする「ジュニアサイエンスカフェ」と、実際に実験・観察をする「実験ワークショップ」の二つからなる、「ジュニアサイエンスワークショップ」が主なプログラムです。学年や発達段階にあわせて、「ジュニアサイエンスワークショップ」には、入門編(ステップ1)、発展編(ステップ2)、テーマ別研究体験編(ステップ3)の3ステップが用意してあります。学年が上がるにつれてステップ1、ステップ2、ステップ3へと上がっていく仕組みです。入門編(ステップ1)と発展編(ステップ2)では、それぞれ年間3〜5回と5〜8回、静岡大学に来校して「ジュニアサイエンスカフェ」と「実験ワークショップ」を行います。その日の内容の要約、発展的に調べたこと、疑問、感想などをレポートにまとめます。レポートは評価をつけて返却されます。優秀な受講生は表彰され、次のステップへの受講資格が与えられます。
  この他に、一流の科学者による講演会「スペシャルサイエンスレクチャー」と、大学や民間の研究所で活躍している若手研究者による「キャリアデザインワークショップ」も行います。「スペシャルサイエンスレクチャー」では、研究内容に加えて、発見や発明に至った経緯やエピソード、研究に対する姿勢、科学者になった動機、生き方などを語ってもらいます。「キャリアデザインワークショップ」では、大学や国公立の研究機関で基礎研究に携わる研究者だけでなく、民間企業で研究や開発を行っている研究者や技術者も積極的に招いて、それぞれの立場から研究現場の様子、研究者の生き甲斐などを話してもらいます。どちらも、質疑応答の時間を十分取るので、直接、話すこともできます。

ステップ1:中学1年〜高校1年 40名

・入校式(第1回サイエンススペシャルレクチャーを行う)2011年5月29日(日) 13時〜16時
・ワークショップ(それぞれ10時〜16時)

第1回:2011年6月5日(日)(雨天延期)予備日6月12日(日) 身近な植物の見分け方

(徳岡徹 理学部・生物科学科・准教授)

私たちの身の回りにはたくさんの植物が生育しています。このような多様性は生物が環境に適応し、進化してきた結果です。この進化の痕跡を観察し、一つ一つの植物を見分ける方法を学びます。また、実際の植物に触れることで、植物の多様性について考えていきたいと思います。

第2回: 2011年6月19日(日)(雨天延期)予備日6月26日(日) 農業害虫とその天敵はどのように食べ物を食べるのだろう?

(田上陽介 農学部・共生バイオサイエンス学科・准教授)

昆虫はいろいろなものを食物として利用します。野外採集、口器や行動の観察を通じて、農業害虫はどうして害虫となるのか、天敵昆虫はどのように害虫を退治するのかについて学びます。

第3回:2011年7月3日(日) 二酸化炭素を診てみよう

(サティッシュ クマール 理学部・地球科学科・准教授、宗林留美 理学部・地球科学科・講師)

エコによって悪者になった二酸化炭素。実は地球を知るうえで極めて重要な分子です。この分子が大気や動植物、大地を循環することで、地球が成り立っているのです。二酸化炭素を把握するための実践法を体験してみよう。

第4回:2011年7月24日(日) 光とは何か?- レーザー光の回折実験 -

(岡俊彦 理学部・物理学科・講師)

この講座では、前半は可視光の基本や赤外線や紫外線について簡単な実験をしながら学びます。後半はグループにわかれ波の性質である干渉や回折について、レーザー光をスリットや回折格子に当てて観察します。

第5回:2011年9月4日(日) 「もの」ができる仕組みについて

(瓜谷眞裕 理学部・化学科・教授)

私たちの周りの「もの」は元素から成っています。その種類は100程度に過ぎませんが、その組み合わせで数多くの種類が作られます。この講座では、分子模型と簡単な実験セットを使って「もの」ができるしくみについて考えていきます。

・サイエンススペシャルレクチャー  

第1回:2011年5月29日(日)(入校式のオープニングとして開催)
「科学を目指すために、ちょっと立ち止まって考えてみよう」

(天岸祥光 元静岡大学学長・静岡大学名誉教授)

科学を目指すために、基礎的な勉強をコツコツ積み重ねていくことは無論一番大切ですが、それだけでなく、科学を目指す「21世紀の人間」として何が大切かも、一度考えてみてほしいと思って、いろいろお話をします。

第2回:2011年11月20日(日) 静大祭期間中 (予定)
「地震・火山噴火を予測する〜〜予測の科学へのアプローチ〜〜」

(藤井直之 静岡大学客員教授)

地震の発生や火山の噴火の推移を科学的に予測することは大変魅力あるテーマであるとともに、災害を軽減することにつながるために大きな社会的な要請伴っている。気候変動や天気予報の予測と比較しつつ,「予測の科学」という側面から考えてみよう。

・キャリアデザインワークショップ  

第1回:2011年9月11日(日) 13:00-16:20 (予定)

『SSH校の教員になって〜リアルサイエンスの実践〜』
(松井恵 静岡北高校・教諭)

『数学者のたまごの研究生活』
(酒匂宏樹 京都大学・学振研究員)

『科学と社会の架け橋となるサイエンスコミュニケーター - 科学とゆるく付き合う -』
(内田麻理香 フリーランス・サイエンスコミュニケーター)

第2回:2011年11月20日(日) 13:00-16:20 (予定)

『博士→母+工学系准教授な生き方』
(松下祥子 東京工業大学・准教授)

『「科学ってオモシロい」を伝えるために』
(土屋健 科学雑誌Newton編集室)

・テーマ別研究室体験成果発表会 2012年3月10日(土) (予定)
(ステップ3の受講生が発表、ステップ1とステップ2の受講生は聴講)
・修了式 2012年3月18日(日) (予定)

 

 

ステップ2:中学3年〜高校2年 20名

・入校式(第1回サイエンススペシャルレクチャーを行う)2011年5月29日(日) 13時〜16時
・ワークショップ(それぞれ10時〜16時)

第1回:2011年6月12日(日) 原子の出す光の波長測定

(阪東一毅 理学部・物理学科・講師)

この講座では、前半は原子が光を出す仕組みや蛍光灯の原理などを学び、後半はグループにわかれて実際に分光器を使って、いろいろな原子の出す光を波長に分解して観察します。

第2回:2011年6月26日(日) 深海・温泉・地下圏の微生物を診てみよう

(木村浩之 理学部・地球科学科・講師)

微生物は、人間の体内、土壌、大気、湖沼、海洋などの様々な環境に生息しています。さらに、高圧の深海、高温の温泉、暗黒の地下圏といった極限環境でも微生物を見ることができます。この講座では、極限環境微生物を対象とした顕微鏡観察、培養、DNA解析を体験してみましょう。

第3回:2011年7月10日(日) 遺伝子の設計図を解き明かせ!

(丑丸敬史 理学部・生物科学科・教授)

遺伝子(DNA)はどのように生命の設計図となっているのか? 遺伝子が異常になるとどのようなことが起こるのか、細胞内部を最新の顕微鏡を用いて解析します。

第4回:2011年7月31日(日) 高等動物の体の成り立ちを調べてみよう

(小池亨 理学部・生物科学科・講師)

マウスの解剖を通じて、体を構成する器官について学びます。また、様々な器官の組織切片標本を顕微鏡で観察し、組織の成り立ちを理解します。

第5回:2011年8月22日(月) サイエンス・ディベート

(嶋田大介 理学部・物理学科・准教授)

ディベートとは討論のことです。いくつかの簡単な物理実験の結果を予想し討論し合い、最終的に自分の予想を決定した後に実験を行い結果をみる講座です。正しい結果を予想できたかより、自分の考えを相手に正しく伝えられるかが重要です。

第6回:2011年10月2日(日) 放射線を調べてみよう

(奥野健二 理学部・放射科学研究施設・教授、大矢恭久 理学部・放射科学研究施設・准教授)

近頃よく耳にするようになった放射線。その正体は、性質は、人体に有害なの、有益なの?そんな放射線のことを学びます。午前は、放射線の講義の後、霧箱で普段は目で見えない放射線を観察します。午後は放射科学研究棟の見学をした後、放射線の性質を調べる実験をします。

特別回:2011年8月7日〜8日(1泊2日) 特別研修会(施設見学など)
場所:静岡県総合教育センター(掛川)ほか

・サイエンススペシャルレクチャー  

第1回:2011年5月29日(日)(入校式のオープニングとして開催)
「科学を目指すために、ちょっと立ち止まって考えてみよう」

(天岸祥光 元静岡大学学長・静岡大学名誉教授)

科学を目指すために、基礎的な勉強をコツコツ積み重ねていくことは無論一番大切ですが、それだけでなく、科学を目指す「21世紀の人間」として何が大切かも、一度考えてみてほしいと思って、いろいろお話をします。

第2回:2011年11月20日(日) 静大祭期間中 (予定)
「地震・火山噴火を予測する〜〜予測の科学へのアプローチ〜〜」

(藤井直之 静岡大学客員教授)

地震の発生や火山の噴火の推移を科学的に予測することは大変魅力あるテーマであるとともに、災害を軽減することにつながるために大きな社会的な要請伴っている。気候変動や天気予報の予測と比較しつつ,「予測の科学」という側面から考えてみよう。

・キャリアデザインワークショップ  

第1回:2011年9月11日(日) 13:00-16:20 (予定)

『SSH校の教員になって〜リアルサイエンスの実践〜』
(松井恵 静岡北高校・教諭)

『数学者のたまごの研究生活』
(酒匂宏樹 京都大学・学振研究員)

『科学と社会の架け橋となるサイエンスコミュニケーター - 科学とゆるく付き合う -』
(内田麻理香 フリーランス・サイエンスコミュニケーター)

第2回:2011年11月20日(日) 13:00-16:20 (予定)

『博士→母+工学系准教授な生き方』
(松下祥子 東京工業大学・准教授)

『「科学ってオモシロい」を伝えるために』
(土屋健 科学雑誌Newton編集室)

・テーマ別研究室体験成果発表会 2012年3月10日(土) (予定)
(ステップ3の受講生が発表、ステップ1とステップ2の受講生は聴講)
・修了式 2012年3月18日(日) (予定)

 

 

ステップ3:高校1年〜3年 10名

・入校式(第1回サイエンススペシャルレクチャーを行う)2011年5月29日(日) 13時〜16時
・ワークショップ

以下のテーマからひとつを選んで行います。また、自分で行いたいテーマがあれば可能な限り相談に応じます。開催日時は、入校式の日に、担当教員と受講生で相談して決めます。

テーマ1:無限集合の組合せ論

(依岡輝幸 理学部・数学科・准教授)

自然数の役割は、「順序」と「ものの個数」の二通りあります。カントル(Cantor)は、集合と超限帰納法という概念を導入し、「順序」と「ものの個数」という観点からの無限についての数学的洞察を与えました。目標は、それらを理解することです。さらに、カントルが開発した対角線論法という手法とその応用を学びたいと思います。

テーマ2:細胞がふえる機構を知る-がんとは何か?-

(丑丸敬史 理学部・生物科学科・教授)

がんは細胞分裂が止まらなくなる病気です。どのような仕組みで細胞は増殖するか、またどのようにしてがんが発生するのか。その仕組みを調べてみよう!

 テーマ3:植物分子生物学:植物のバイオテクノロジーIII

(木嵜暁子 理学部・生物科学科・准教授)

植物細胞からプロトプラストを作り、光る遺伝子GFPを導入して、光る様子を観察します。また、遺伝子組み換え植物を使って、バイオテクノロジーの技術を体験し、学びます。

テーマ4:神経行動学入門:動物は何を感じ・何を考え・どのように動くのか?

(竹内浩昭 理学部・生物科学科・教授)

カラス,ヒヨコ,アホロートル(メキシコサンショウウオ)などを対象とした観察や実験を通じて、動物が何を感じ・何を考え・どのように動くのかを調べる神経行動学研究を体験してもらいます。

テーマ5:X線で見る酸化物超伝導体 

(嶋田大介 理学部・物理学科・准教授)

この講座では、同じ条件で酸化物超伝導体を作り、電気炉で焼く条件を変えていくつかの試料を作ります。それぞれの試料のX線回折実験や電気抵抗の温度変化を測定し結果の違いを比較します。

テーマ6:半導体発光材料と光の物理

(阪東一毅 理学部・物理学科・講師)

発光ダイオード(LED)やレーザーポインター、有機ELディスプレーなど、最近の光デバイスは半導体と呼ばれる物質からできています。光は半導体を構成する原子中の電子から生み出されます。このテーマでは、半導体から生じる光を観測し、発光メカニズムや光の性質を原子のスケールで物理的に解明していくことを目指します。

テーマ7:遺伝子組み換えで遺伝子の働きを調べる

(瓜谷眞裕 理学部・化学科・教授)

生命の設計図である遺伝子は、デオキシリボ核酸(DNA)という物質です。ここでは、DNAの研究法の基礎を学びます。また、DNA組換え実験により、目的タンパク質が細胞のどの部分にあるのかや、その遺伝子の働きを調べます。

テーマ8:有機化学関係の課題(仮題)

(坂本健吉 理学部・化学科・教授)

テーマ9:古代生物を診てみよう

(鈴木雄太郞 理学部・地球科学科・講師)

太古の生物のふるまいを解明する鍵は、化石に残された「かたち」が生物としてどのように作用するのか?を理解することにあります。「生きた化石:オウムガイ」を題材に、生物の“かたち”に秘められた“動き”を紐解く古生物学を体験してみよう。

テーマ10:広帯域地震計を作って地球の揺れを測る

(生田領野 理学部・地球科学科・助教)

普段気づきませんが,地球は常に揺れています。この揺れを自ら作った地震計で計測してみましょう。力学と電子工学を駆使して、一般的な地震計では計測できないゆっくりとした揺れを検出する「広帯域地震計」の製作に挑戦します。

・サイエンススペシャルレクチャー  

第1回:2011年5月29日(日)(入校式のオープニングとして開催)
「科学を目指すために、ちょっと立ち止まって考えてみよう」

(天岸祥光 元静岡大学学長・静岡大学名誉教授)

科学を目指すために、基礎的な勉強をコツコツ積み重ねていくことは無論一番大切ですが、それだけでなく、科学を目指す「21世紀の人間」として何が大切かも、一度考えてみてほしいと思って、いろいろお話をします。

第2回:2011年11月20日(日) 静大祭期間中 (予定)
「地震・火山噴火を予測する〜〜予測の科学へのアプローチ〜〜」

(藤井直之 静岡大学客員教授)

地震の発生や火山の噴火の推移を科学的に予測することは大変魅力あるテーマであるとともに、災害を軽減することにつながるために大きな社会的な要請伴っている。気候変動や天気予報の予測と比較しつつ,「予測の科学」という側面から考えてみよう。

・キャリアデザインワークショップ  

第1回:2011年9月11日(日) 13:00-16:20 (予定)

『SSH校の教員になって〜リアルサイエンスの実践〜』
(松井恵 静岡北高校・教諭)

『数学者のたまごの研究生活』
(酒匂宏樹 京都大学・学振研究員)

『科学と社会の架け橋となるサイエンスコミュニケーター - 科学とゆるく付き合う -』
(内田麻理香 フリーランス・サイエンスコミュニケーター)

第2回:2011年11月20日(日) 13:00-16:20 (予定)

『博士→母+工学系准教授な生き方』
(松下祥子 東京工業大学・准教授)

『「科学ってオモシロい」を伝えるために』
(土屋健 科学雑誌Newton編集室)

・テーマ別研究室体験成果発表会 2012年3月10日(土) (予定)
(ステップ3の受講生が発表、ステップ1とステップ2の受講生は聴講)
・修了式 2012年3月18日(日) (予定)


催しものカレンダー

ここからカレンダが始まります。このリンクでカレンダを読み飛ばせます

前月 2024年12月 次月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
2024-12-05

カレンダの終端です。

静岡サイエンススクールポスター

応募する

ネットで参加する